カギの修理
カギの修理
いや、正確には、鍵(カギ=key)ではなく、錠(=Lock)の修理。
日常的には「カギをかう」とか「玄関のカギ」というように使うが、
「カギをかう」=「施錠する」というように、「錠をする」「玄関の錠」が正しい。
というような細かい事はどうでもいいが、要は、我家のカギ、いや「錠」が調子悪くなったのだ。具体的な症状は、内側からは開閉が出来るが、外側からは、開けることは出来るが、閉まる方向に「鍵」が回らない、という症状だ。
ここで、絶対にやってはいけない事がある。それは
「鍵穴にCRCなどの油を差すこと」だ。
理由は2つある。
1つは、
壊れたからといって、CRCを吹いて直る事は、まず滅多にほとんど無い。という事だ。それくらいで直るのなら世話はない。というか、それくらいで直るわけが無い。
2つ目の理由は、
鍵穴と戸車には油を差しちゃダメだから。
差した油にホコリがよってきて、余計悪い状態になるから。
これはウンチクとして、覚えておきましょう。
鍵がスムースに回らないときは、鍵穴専用の潤滑材があるのでそれを使う事。ていうか、専用の潤滑材はいいお値段なので、ここは鉛筆の芯で充分です。
専用の潤滑材は、モリブデンやパラフィンなどの層状の結晶をしたものが使われているが、炭素もダイヤモンドでなければ層状の結晶なので、鉛筆の芯を鍵に塗ったり、盛ったりして、鍵穴に差しこんで、グルグル回せばいい。
機械に油を差すにせよ、鍵穴に鉛筆の芯を使うにせよ、調子が悪くなってからでは、かなり手遅れだ。調子のいい普段からメンテナンスしとかなきゃいけません。
人の体も同じ事。糖尿になったり肥満や高血圧になってから運動を始めるんじゃなくて、普段からチョコチョコと体を動かしとけって事ですよ。
というか、壊れた錠の話はどこ行った?
例によって、とりあえず分解してみた。
ここで、いわゆる鍵穴の部分、シリンダーというが、これに異常がない事が判って一安心。シリンダー単独では、鍵を差して左右にグルグルとスムースに回るのだ。
我家には複数出入り口があるが、それぞれに違う錠が付いていて、それぞれに違う鍵があるが、私の持っているマスターキーで、どの錠も開け閉めできる。という仕組みにしてある為、このシリンダーは、特別な申請をしないと、同じものが発注できないのだ。また、納期も最低1ヶ月は掛かる。
なので「シリンダーは無事」なのは、大変ありがたい。
という事でそれ以外の、メカな部分を診てみたが、特に欠けているとかの損傷は認められなかったが、さすがに無給油で10年以上風雨にさらされてきただけあって、グリースがゴチゴチになっている。ここはCRCで拭き取り、あっちやこっちがスムースに動くようにした。
さてここで、グリースを新たに塗るか、かえって何も無いほうがよいか迷ったが、鍵を回す、ピニオンラックで直線運動に換える、再びピニオンラックで回転運動にする、回転盤から出ているピンで再び直線運動にする、という機構なので、要所にはグリースを塗る事にして、組み立てた。
結果、鍵は閉開ともスムースに動くようになり、修理完了となった。
あと5年は大丈夫である事を願いたい。