「大智、三小?」
娘は市立第二中学校に通っている。いわゆる「ニ中」だ。
「ニ中」学区の中には、いくつかの小学校がある。第三、第四、第五小学校はそれぞれ「三小」「四小」「五小」である。
一年生のうちは「○○君(さん)は三小?四小?」と、相手の出身学校を聞くのはごく日常的である。
(ニ中出身者なら分かって貰えると思う)
そして、私の学生だった頃、「大智」君や、「大地」君といった、「だいち」君は同級生にはいなかったように記憶している。
先日、娘が、私の知っている懐かしい曲のパクリのような曲を家で練習していた。私の知っている曲に、微妙に似ていて、微妙に違っているのだ。
どうにも気になって、娘の楽譜を覗き込むと、それはまさに、私の知っている曲だった。今度クラスで、この曲を歌うことになったんだそうだ。
娘よ、音程もテンポもだいぶずれてるぞ。
そこで私は、その曲を歌って聞かせてやったり、ネットで検索して「本物」を聞かせてやったりして、娘も、あ~なるほど、などと言いながら、
「最近学校で、『大智、三小?』『ううん、四小』って言うのがはやってるんだ」とニコニコしながら教えてくれた。
そう、娘のクラスで今度歌う、私の知っている懐かしい曲とは「大地賛頌」だったのだ。
そして娘の同級生の大智君は確かに四小出身だ。
私の時代には、あだ名が「ツチ」の土田さんが「ツチに感謝せよ」と歌われ、顔を赤らめていたが、大智君に至っては、「母なるだいち」で始まり、「だいちを愛せよ」「だいちを褒めよ、称えよ」とまで歌われ、さぞや困窮していることだろう。